この数年、藪さんは近隣の様々な神社の祭を取材してきました。
文京区の牛天神、桜木神社、根津神社、白山神社、簸川神社、湯島天神。千代田区の神田明神、靖國神社。台東区の浅草神社、下谷神社。荒川区のスサノオ神社、諏方神社のお祭です。
こうやって書き出してみると、文京区と千代田区と台東区と荒川区って、東京23区の内で、面積の狭い下から四区なんですねぇ。
そんな狭い範囲の祭でありながらも、一つとして同じパターンの祭をやってないってところが、実に興味深い。同じ神社管内の氏子町会でも、神輿渡御よりも夜店縁日に力を入れている指ヶ谷町会もあれば、盆踊りに力を入れている菊坂町会もあります。
藪さんが三社祭や神田祭が詰まらないと云う理由は、その土地の生活者の庶民目線で祭をやってないからです。だから多くの観光客が見物に行くような祭は、単なるショーであって地元民が本当に楽しんでいる祭じゃないんです。
この数年の数々の取材で、藪さんが一番楽しい地元民の祭だと思ったのは、本郷桜木神社管内の本郷田町町会の祭です。子供から老人までみんなが本当に楽しんで盛り上げている祭を、他では見た事がありません。
大人神輿に子供が両手を伸ばして担ぎ棒を持っている。他の祭りだったら危ないからどけを云われるけど、ここじゃそれが当たり前なんです。神輿渡御をしている前で、いい年した大人たちがマルチカラーのかつらを被ってラインダンスをやっちゃう。
白髪のおっさんがウサ耳のカチューシャをしている。ハロウィンの祭が合体してるんです(^ω^)
神輿を担ぐ声が元気なくなると渡御のリーダーがハンドマイクでお猿の篭屋とかの童謡を歌って元気付ける。伝統的な神輿渡御のスタイルを守りつつ、みんなが楽しめるようにアレンジを加えているところが実に素晴らしい。
撮影データ・・・平成30(2018)年9月22日(土)午後七時半 本郷田町