よく連中が「巣(nest)」と云ったりするのですが、一般的に巣と云うのは「アリの巣」や「蜂の巣」のように、子育てをする場所及び寝床を意味します。
藪さんが何故「ツバメの巣」ではなく「産卵床」と云うのかの理由は、ツバメが土を壁に付けて半円状のものを作るのはあくまでも産卵床であって、ツバメの家を意味する巣ではないからです。
ツバメのメスは土の半円状のボウルに卵を産みあっためてヒナを孵化させます。孵化したばかりのヒナは羽毛が生えてなくて丸裸で寒いので、メスが添い寝してあっためます。
ヒナが大きくなったらメスは産卵床には入りません。孵化後約三週間で大きくなったヒナは巣立ちます。一度産卵床から巣立ったヒナは二度と産卵床には戻らないのが普通です。
何故なら産卵床にはたくさんのダニが沸いていて血を吸われて痒いからです。でも巣立たないヒナが産卵床に残っている場合は、一度巣立ったヒナが産卵床に戻って寝る場合もあります。
ネットを幾ら調べても、藪さん以上にツバメの子育てについて詳しい事を書いている人はいません。それは仕方がない。巣立ったヒナがどこで寝ているのかを観察するのはできませんからね。
何故藪さんにそれができるのかと云うと、観察に最適な場所が近所にあるからです。右上の写真を見て、これはどう云う状態なのかを解説できるのは藪さんだけでしょう。
右のポールにいる二羽と真ん中のポールにいる一羽は、この日の午前中に巣立ったヒナです。棚にいる二羽のヒナは、巣立たなかった一羽と巣立ったけど産卵床に戻った一羽です。左のポールにいるのは、巣立った四羽のヒナの飛行訓練を終えたお母さんです。
撮影データ・・・令和元(2019)年6月4日(火)午後5時49分