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Channel: 藪井竹庵
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死神

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イメージ 1 明治期の文化人であった三遊亭圓朝が作った「死神」と云う演目は、死神って~くらいですから怪談噺であり夏の演目と思われがちですが・・・よく考えてみると、主人公は女房にどやされて借金の算段に出かける訳ですから、節季に掛取りがやってくるので暮れの演目なんでしょうね。節季と云う商人の決算期は何も暮れに限った事ではなく四季にあったようですが、落語で借金取りと云ったら暮れの話と云う事になります。

 暮れの話だからと云って暮れじゃないとやっちゃいけないって事は無く、怪談噺を夏にしてクーラー代わりにした超省エネの江戸時代ですから、冬場の話を糞暑い夏にやるってのは理に適っている訳です。藪さんのようなディベート(討論)の達人に記事を書かせると、あれこれと理屈を付けて何でもありって事になっちゃいますが・・・(^ω^)

 「死神」はもう何度も記事にしているので、改めてストーリーを書く事もないと思いますが、簡単に展開を書いておきますと・・・

 借金の返済が出来ず、金が出来るまでは家に入れないと女房に云われて家をおん出された男。

 どうにも金が出来ないので死のうと思い、どうやって死のうかと考えていると、手伝ってやろうか・・・と云う老人の声。死神だった。

 男に同情した死神は、儲ける方法を教えてくれた。医者になって、病人を診なさい。病人の枕元に死神がいたら助からないが、病人の足元に死神が座っていたら、その病人は助かる。『あじゃらかもくれん きゅーらいす てけれっつのぱぁ』と云って、パンパンと手を叩けば、死神は退散するから、その病人はすぐに良くなる。

 死神の云った通りで、たちまち名医と云われる様になり繁盛した。古女房と子供を追い出し、若い妾を作って贅沢三昧。豪勢な上方見物をして金を使い果たす。それからはツキも落ちて、死神が枕元に座っている病人ばかり。みるみる行き詰る。

 そこへ麹町の大金持ちから依頼があったが、見に行くと、この病人も枕元に死神がいる。助からないと返事をしたが、一万両(八億円)出すからなんとかしてくれと云われる。

 金に目が眩んだ男は、一計を案じ、四人の男を布団の四隅に待機させ、死神が居眠りをした隙に病人の床を逆転して、『あじゃらかもくれん・・・』パンパンとやると、死神はビックリして退散した。

 作戦が成功し、金を貰って有頂天の男が帰り道に死神に出会う。とんでもない事をしてくれたなぁ。まあいい、こっちへおいで。と気味の悪いところへ連れて行かれた。並んだ蝋燭が人間の寿命だと云われる。あんな事をやったから、お前のは今にも消えそうになっているその蝋燭だと云われる。

 死神さん何とかして下さいと云うと、別の長い蝋燭へ火を移せと云われた。火を移そうとした男は緊張で手が震えて、『ああ、消える・・・』

映像データ・・・平成24(2012)年12月17日? 赤坂BLITZ 小三治73歳時?

 データ・・・十代目 柳家小三治 昭和14(1939)年12月17日~ 前名=さん治 出囃子=二上りかっこ 本名=郡山剛蔵(こおりやまたけぞう) 紫綬褒章受章(2005) 2010年6月より落語協会会長(現在二期目) 新宿区出身 都立青山高校を卒業後大学入試に失敗し一年浪人後、五代目 小さんに入門 高田の馬場に住んでいるので通称=高田の馬場の師匠 可楽や圓生の物真似は絶品

 上掲の動画は、昨年の小三治の誕生日頃に赤坂BLITZ(ブリッツ)と云うディスコで行われた小三治一門会のもの。小三治が珍しくマクラでフランク永井の歌を一番全部歌っている。しっかし、語り終わってから湯を飲んで高座を降りると云うのを初めて見ました(^ω^)

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